昨年住宅を購入された方の「確定申告」
2020年02月29日
昨年住宅を購入された方は、2月17日(月)から3月16日(月)までに確定申告をしていただく必要があります(新型コロナウィルスの影響で、今年は4月16日(木)までに延長されています)。
「e-Tax」を使ってネット経由で確定申告をする方法もありますが、給与所得者の場合は毎年確定申告をするわけではありませんので、国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」で必要事項を入力してプリントアウトした書面と必要書類を添えて、相談会場か税務署へご持参された方がよろしいかと思います。
確定申告を行いますと「住宅ローン減税」や「住民税控除」を受けられます。
「住宅ローン減税」は10年間(消費税が10%となった令和1年10月以降にお引き渡しを受けられた方は13年間)継続されますが、納めた所得税以上の還付はありませんのでご注意下さい。
この制度では、毎年の住宅ローンの年末残高の1%が所得税控除の額(還付予定金額)となりますが、一般住宅の場合最大40万円、長期優良住宅の場合最大50万円です(既に支払済みの分がありますので、実際の金額は金融機関から送付された年末残高証明書をご確認下さい)。
「納めた所得税額」が「還付予定金額」を下回っていた場合、その差額は住民税が控除されます。住民税控除分は「還付」されるのでなく、月々給与天引きされている住民税が「減額」されます。なお、住民税控除額は最大で年間136,500円(月額11,375円)です。
「確定申告」と聞くと、専門的な知識が必要でハードルが高いと思われるかもしれませんが、「確定申告書等作成コーナー」で必要事項を入力すると、簡単に作成できます。
入力例(給与所得者がスマートフォンで入力する場合)
「確定申告書作成コーナーの画面」→「作成開始」→「書面提出」→「令和元年分」→「給与」を選択します。かなり入力項目がありますが、必要書類のご準備があれば容易に完了できます。
また、国税庁では「住宅ローン控除還付申告手続」の仕方についての動画も公開しています。
こちらを参考にしながら、作成してみてください。
確定申告に必要な書類
(書類の準備が整ってから国税庁の「確定申告書等作成コーナー」での入力を行ってください)
①給与所得の源泉徴収票原本
原本の提出ですので、コピーを取っておいて下さい。
②本人確認及び居住確認書類(以下に記載の*印のいずれかをご用意ください)
なお、住宅ローンを奥様や親族の方と連帯債務にしている場合は、連帯債務者の書類も必要です。
*「マイナンバーカード両面のコピー」
マイナンバーカードの住所が前住所になっている場合は、お住まいの役所にて住所変更を行った後にコ ピーを取ってください
*「マイナンバー通知カード両面のコピー」と「顔写真付きの身分証明書両面のコピー」
運転免許証等の住所変更は事前に手続きをお願いします
*「マイナンバーが記載された住民票原本」と「顔写真付きの身分証明書両面のコピー」
住民票は本人のみ記載のものでも構いません。新居への居住開始年月日(住民票登録日)を確認するための資料ですから、住民票を移した日以降のものであればOKです。
③建物の登記事項証明書原本(いわゆる謄本です。法務局で取得できます。コピーは×)
④土地の登記事項証明書原本(いわゆる謄本です。法務局で取得できます。コピーは×)
上記③と④はお引渡し後に司法書士事務所から送られてきている場合がありますので、それを使用してください。ない場合はお近くの法務局で取得してください。
後日、税務署からの問い合わせや、申告後に計算誤りがあった場合の再提出に使用する可能性がありますのでコピーをとっておくことをおすすめします。
⑤売買契約書のコピー
収入印紙貼付ページを含む、契約日・金額・工期・売主買主捺印ページ(全ページをコピーしていただくと間違いがありません)。重要事項説明書は不要です。
⑥銀行借入金(住宅ローン)の年末残高証明書原本
銀行によって異なりますが、10月~1月下旬に融資先銀行より「年末残高証明書」が送られてきます。借り入れが複数ある場合はすべて必要です。こちらも原本の提出ですので、コピーを取っておいて下さい。
⑦地震保険控除証明書原本
お引渡し後に保険会社から「火災保険証券」が送られてきています。その中に「地震保険控除証明書」が入っていますので、そちらを提出してください。なお、昨年の年末調整にて提出された場合は申告の必要はありません。
⑧親御さんなどから資金援助を受けていれば、「贈与税の申告書」と「ご本人の戸籍謄本原本」等を提出する必要があります。
上記につきましては、一般的なご説明になります。
税理士法により、税理士資格のない弊社では作成・申告の代行や税務相談を受けることが出来ません。
万一不備があるといけませんので、詳細は最寄りの税務署にてご相談していただくことをお勧めいたします。また、期日間際になりますと大変混雑しますので、早めの申告をお勧めします。
確定申告期には、税務署内で申告相談を行っている署のほかに、相談会場を設けている署もあります。
詳しくは、お近くの税務署にお問い合わせください。
なお住宅取得についての来年の確定申告の必要はございません。給与取得者の方は年末調整にて還付されます。
そんなに難しいことではありませんので、皆さん、確定申告にチャレンジしてみてください。